昔のに戻した2008年03月11日 03時43分57秒

 タイトルとデザインを1年前まで運用していた昔のスタイルに戻しました。同時にFM番組の別のサイトのコピー形式をやめて、僕個人の本来の身軽なサイトに戻した。元々はFM番組のサイトの立ち上げ時、そちらがどれくらいアクセス数があるかの、プロバイダによる比較検討というスタンスで、自分が元々使ってたこの頁をその実験台の一つとして解放していたものですが、その実験もある程度終了し、本来の番組サイトも軌道に乗ったので、ここで実験をする意義は既に失われた。本来のサイトに戻したいと思います。

 デザインプレートもその後充実したのです。実験中は音楽サイトよろしく、ASAHIネットが揃えたど派手なプレートにしたが、段々自分本来には合わないなあと思っていたので、今回を気に元々のデザインに戻した。
 戻した所左右のメニューがきっちり合わなくなってしまったので、CSSでセンターの幅を466から460に修正したりと、色々細かい修正はしているのだよ。

 いやあしかし、タイトルとデザインを昔のに戻したら(ついでに名前も)、何だか落ち着いたな。昔の古巣に戻ったという感じです。時代遅れかも知れないけど、これがいい。しばらくはこのままでやって行こうと思っています。是非よろしくね。

キリエ・エリゾン-1月27日(土)2008年01月27日 08時26分48秒

Little river band's greatest hits from down under
マスターのアッシーです。またまた寒いですねえええ~! 今日26(土)は熱海市では駅伝大会ですよおお。大丈夫かなあ走る人?頑張って下さいね(私生中継でレポーターやります)。
 さて1月26日(土)18~19時、周波数79.6MHzで放送したFM熱海湯河原の人気音楽トーク番組「Evening cafe 135」の曲を紹介します。

【1.Mommoth college fight song (Yellowjackets)】
 収録アルバム「Casino lights」。1981年頃のスイス・モントルー・ジャズフェスティバルのライブ盤です。イエロージャケッツはここでは盟友ロベン・フォードと一緒に、架空の大学の応援歌を歌いました、基い、演奏しました。「マンモス大学」って何かね?この曲は聴くと随分元気が出る曲で、今日のオープニングに入れたのは偶然なのですが、僕らの空元気のオープニング・トークに合っていたなあと思いました。ブラスセクションは後々スタジオでのオーバーダブです。この初期ロベン・フォードのドラマーだったリッキー・ローソンはその後イエジャケ脱退後、どういう経緯かマイケル・ジャクソンのツアードラマーとなり、1984年頃だったかの日本ツアーにも来ていました。TVで彼を見てビックリ!イエロージャケッツのドラマーだったことは何人気づいたでしょうか? 同時にシェリル・クロウもこの頃マイケル・ジャクソンのバックボーカルだったそうです。余談ですが僕が学生時代最後にバックバンドを勤めたボーカルの後輩君は、大学卒業後プロになりましたがソロではそこそこでしたが、その後サザンオールスターズのバックコーラスでツアーを回ったらしいです。先輩がサザンのライブを見に行ったら、「あいつがコーラスだったんだよー」と驚いていたそうです。ほほう。僕は1980年代の山下達郎のライブ見に行ったときにバックコーラスだった前述村田和人をよく覚えています。当たり前ですがピッチは完璧でした(ピッチの悪いコーラスなどいるか?)。

【2.Viva de funk (Joe Sample & the Soul committee)】
 収録アルバム「Did you feel that ?」。このアルバムを1990年代初頭、友人の車の中で初めて聞いたときに思った一言、「初期のクルセイダーズみたいで、いいなあ」。むっちゃくちゃグルーブしています。スティーブ・ガッド(ds)、マイケル・ランドウ(g)、フレディ・ワシントン(b)というリズム隊。90年代以降のガッドはこういうグルーブが得意になったみたい。1970年代にはビシバシ決めていたデモーニッシュなドラムスの技、なーんもせん。ただグルーブするだけ(しかも強烈に)。よく聞くとジョー・サンプルはソロが盛り上がってくるとウアウア唸っているのが聞こえます。いつの間にかキース・ジャレットになってしまったようだ。クルセイダーズの数年前のブルー・ノート東京でのライブに行ったら、80年代にMCで語りまくってたウィルトン・フェルダー(sax)が一言もしゃべらず、代わりに彼ジョー・サンプルが山のようにしゃべっているのを聞いて、80年代にはこれとは真逆の二人だったもんで面食らいました(ウィルトンは若干ボケ始まったような...)。ジョー、しゃべるしゃべる。「学生時代は女のケツ追っかけるのに夢中だったぜ」とか、「ピアノを弾き始めた若い頃、エレピなんてケッと軽蔑していたが、レイ・チャールズをラジオで聞いてぶっ飛んでな。それで今じゃこんなエレピを自宅にも特注さ」等々。爺さんどういう訳か、しゃべるしゃべる。ギターで一緒に来たレイ・パーカーJr.、「ゴースト・バスター」歌う歌う(風貌はただのオッサンになっていました)。何か普通に米国国内ライブ見ているようで、また日本人の客もどういう訳かジョー・サンプルのジョーク等にきっちり反応して笑っていたので、面白かったです。

【3.Kyrie (Mr. Mister)】
 収録アルバム「Welcome to the real world」。「Kyrie」は1985年の大ヒット。どれくらいヒットしたのか知りませんでしたが、何と全米1位だったそうです。へーそんなにヒットしたのかね?好きな曲でしたけどね。キリスト教等の方は既知の事でしょうが、賛美歌で「Kyrie eleison」とうフレーズは普通に出てきます。ギリシア語で「主よ哀れんで下さい」という意味だそうです。後々それを知って大変驚きました。歌詞は別に精神的な事を歌っている訳ではないのですけれども。リチャード・ペイジは元々LAで非常にアクティブに活躍していたスタジオ系シンガー兼コンポーザー兼ベーシストでした。将来Mr.Misterのkbにもなった盟友スティーブ・ジョージと一緒にPagesというデュオを組み、1981年にファースト・アルバム「Pages」を作ります。マニアの間ではこのアルバムは有名なのですが、これ聞いてみたら何というかな、キメキメの難解AORでね。とにっかく、曲が複雑なのですわ。懲りすぎてて、何回聞いても歌の全部を覚えられない。テクニックはあるし、彼らの行きたい方向性も十分分かるのですが(AORとロックとプログレの中間)、これでは難しすぎて売れないわー(事実本当に売れなかった)。という訳で今度は心機一転、Pagesの二人に重いg、重いdsを参加させて4人組となり、サウンドは相変わらず重いんだけれど曲を思いっきりポップにしたら、今度はこの4人組になってからの2枚目でいきなり全米No.1になってしまいました。No.1は目出度いが、あれだけ難解な曲を書いた人がこれだけシンプルな曲調になって、どこかで志捨ててないか?ちなみに米国のロック専門FM局では、このアルバムの収録曲ではこれよりも「Broken wings」の方が好んで流されます。日米の好みの差でしょうか?最近ビールのCMで別人28号がこの「Kyrie」を歌っていたような気が。リチャード・ペイジ、相当歌上手い人と思います。ジミー・ペイジやデビッド・ペイチとは親戚ではない(と思う)。「Kyrie」のMTVビデオからして既にこめかみの辺りの後退が始まっていたようにお見受けしたので、今の彼は相当な事になってるんではないかと推測します。なんまんだぶ。

4.のんだくれトーク
 さて今邑tetsu海君、いつものように元気にお願いしますね!

【5.Ruby baby (Donald Fagen)】
 収録アルバム「The Nightfly」。50年代後半のドリフターズのヒット曲のカバーです。何よりもラリー・カールトンの押さえに押さえてたギター・ソロが光ります。2の「Viva de funk」といいこの曲といい、今日は黒人がパーティか何かでウガウガ騒いでいるノイズだらけのサウンドをバックの曲が続きますね。本当黒人と日本人、同じ人間なのにどうしてこうノリが違うのかなあ?どっちがいい悪いの問題ではないけど違いすぎる。この二者を逆にしたらどうなるかを考えてみると、あまりに不自然で面白い。居酒屋に遅れて到着したら、先に飲んでいる部長にハイタッチして「ようワッツアップ、最近どうだい、メーン!」とか言いながら、遅れたに先陣以上に飲んで食ってウガウガ盛り上がる日本人サラリーマン。うちうち、うちはレモンガス!対して朝から晩まで机にしがみついて、若手が向こうの席でシャレ言って盛り上がっているのをキッと睨み付けるが、しかし黙って仕事を続ける、手足の妙に長い黒人(ソフトバンクの兄)。帰宅は毎日23時。風呂入ってビール1杯飲んで寝る。これを定年まで35年黙々と続け、定年後は奥さんから粗大ゴミ扱いの、手足が妙に長くハイジャンプが大得意の黒人サラリーマン。あり得んなあ。まあとにかく、ルビー・ベイビーです。俺の女はルビーって名前なんだけどよう、俺には全然興味がないのよ。ルビー、ルビー、お前はいつ俺のものになってくれるんだよう?って、この男、「俺の女」とか言いながら、ふられてない?という訳で、ルビーに岡惚れしているだけの男の歌でした。ピアノはマイケル・オマーティアン。ギターのカッティングのみはラリーではなく、ヒュー・マクラッケンです。

【6.One more time (渡辺貞夫)】
 収録アルバム「Front page」。BGMとして1分だけ流しました。このアルバム、どういう訳か写真がなかなかありません。あんまり売れなかったんだろうか?アルバム中にはパティ・オースチンが歌って米国ではスマッシュ・ヒットしたボーカル曲「Any other fool」が収録されています。僕は好きな曲です。今度かけましょうか?

【7.Rominiscing(Little river band)】
 収録アルバム「Greatest Hits」。オーストラリア出身のバンドということで選んだバンドと曲です。僕は彼らの曲では「The lonesome loser」が一番好きなんですけどね。ハイトーンのコーラスが美しいバンドです。この曲ではdsが意外にシャープなバンドだなということに気づきます。ジャケットがいいですね。オーストラリアのバンドはどうしてこう西海岸っぽいんでしょうか?マスターは中学生の頃、よくオーストラリアのABC(オーストラリア国際放送協会)を短波ラジオの7MHzあたり(31mバンド)で聞いていましたが、あの国は音楽は結構いいんですよね。他のオーストラリア出身のアーティストとして、ヘレン・レディ、オリビア・ニュートン・ジョン(生まれはイギリス)、メン・アット・ワークなどがいます。さて、今日のオンエアでもこの曲の直前にご紹介した、素敵なキャンペーンのご案内です!

【8.Eigty-One(Mile Davis)】
 収録アルバム「E.S.P.」。1965年のマイルス・デイビスとロン・カーター(b)作曲。「81」と表記されることもあるこの曲は、コード進行は典型的なブルースですが、一聴しただけではこれがブルースであるとは気づかないかも知れません。テーマも非常にシンプルですが斬新だと思います。思い切って無駄をそぎ落とし核だけを残した。俳句のようです。さてこの曲はアルバムでは2曲目ですが、当初は1曲目のタイトル曲「E.S.P.」を使おうと思ったのですよ。しかしトークにぶつけてみると曲とトークがぶつかっちゃって。ウェイン・ショーター(sax)もマイルスも吹きまくっていますから、しょうがないですなあ。そこでより隙間が多いこの曲に変更した次第。ウェイン・ショーターその他の第二期の黄金が正式にメンバーになってから最初のスタジオ録音盤だということです。ウェイン・ショーターの他には、トニー・ウィリアムス(ds)、ロン・カーター(b)、ハービー・ハンコック(pf)。この後の「ネフェルティティ」になると俳句度は益々増して、無駄なものを削いで削いで削ぎまくる演奏となります。シャープ過ぎて、側を通ると真空のかまいたちのようにすべてを切りそう。1955年からのプレスティッジ時代のクィンテットと、60年頃のCBSのメンバー、それとこの64年からのメンバーと、色々名盤があります。まああちこちをゆっくり聞き試してみて下さいな。

【9.Walkin' (Mile Davis all stars)】
収録アルバム「Walkin'」。これは上記3つのまたその前の時代(音楽性)で、上記のカミソリのような「E.S.P.」と比べると非常に牧歌的に聞こえます。1954年のアルバムです。ただこの曲は非常に有名なのと、聞いていると本当に指をスナッピングし乍ら聞きたくなるというか、身体が動くとはこういうことかと思えるような演奏です。バックがいいんでしょうかね?ホレス・シルバー(pf)、パーシー・ヒース(b)、ケニー・クラーク(ds)、J.J.ジョンソン(tb)、ラッキートンプソン(t.sax)、デイブ・シルド・クラウト(alt.sax)。このアルバムは聞いて置いて損はないと思いますよ。この後にマラソン・セッション4部作を聞くと良いです。早くCBSに言ってギル・エバンス(arr.)と一緒に演りたいのに契約上あと4枚残っているからダメと当時在籍していたレコード会社のプレスティッジに言われ、ブチ切れしたマイルスがたった2日間で演れるだけの曲を演って、本当に4枚分録音しちゃってプイとCBSに行ったという伝説のアルバム達です。「Cookin'」「Relaxin'」「Steamin'」「Workin'」。
これらに分けたのはCBSで、マイルス自身はただこれら4枚分+αの曲を黙々と演奏し続けたに過ぎません。マイルス、僕は1988年にたった一度だけ日本で彼のステージを見ています。当時も「ああ、きっと俺がマイルスを見られるのは、これが最初で最後だろうなあ」と強く思いました。結局その通りになりました。

【10.Jingle(わしら)】
 いつものやつね。

【11.Beauty(吉田美奈子)】
 収録アルバム「Extream beauty」。1995年作品。この曲は歌詞がいいので持って参りましたが、何と言ってもはっきりとご本人と分かる山下達郎のハーモニーがとてもいいです。同じリフを曲の後半で二人で延々と繰り返すのですが、段々と歌詞の情景が目の前に見えてきて、心の中にある感情が芽生えてきます。この曲いい曲だなあ。そんな風に人の心にある作用を及ぼせるような曲だと思います。「Extreme beauty」は発売当時はかなり話題となったアルバムですが、今は皆さん覚えているかな?本当はこの曲(2曲目)と、9曲目の「精霊の降りる町」の2曲をオンエアしたかったのですが、二曲目は時間の関係で落ちてしまいました。今度かけますね。マスターは吉田美奈子は1997年後半の川崎でのライブを見に行っています。このライブは素晴らしかった。このアルバムの曲と、当時出たばかりの次作の名作「KEY」の曲を織り交ぜて演奏しましたが、すごい迫力と歌詞の力を感じたライブでした。あの衝撃波は普通の人には着いていけないかも知れませんが、僕は感動したなあ。歌とは一転してMCがダラダラだったのには逆に好感が持てました(笑)。岡沢章(b)や難波裕之(kb)、山木秀夫(ds)が、キメだらけの曲のラストや、吉田美奈子のダラダラのMCの時には顔を見合わせて笑っていたのが印象的でした。お互いに信頼し合っているというのが感じられてね。今度「KEY」の曲をかけますね。吉田美奈子は僕の回りに、彼女のファンの人達が一杯いて、それで影響を受けて「そんなにいいなら聞いてみようかなあ?」と恐る恐る聞き始めたらガツンと脳天を食らわされた歌手です。ちょっと格が違うので、人によると聞いても何も感じないか、或いは良いと思わない人もいそうな気がします。しかしこういう、誰が聞いてもいいなあと思える曲から入るのも一考だと思い、今回はオンエアの最後にかけた次第です。

 という訳で、FM熱海湯河原(79.6MHz)土曜18~19時の音楽トーク番組「Evening cafe 135」。今日も無事終えることが出来ました。いかがでしたか?今日は爆笑トークだらけの日だったのですが、曲も結構かかったのですね。マスターはこの後まだ仕事もあって今日は八面六臂で大変なのですが、取りあえず放送が無事終えられてホッとしています。それではまた来週の放送に備えることにしましょう。来週は節分ですよ皆さん!早いですね~。年の分だけマメを食わねばなりませんな。それではそんな来週まで、Haster la proxima !(これ、スペイン語です。アスタ・ラ・プロキシマ。また来週、という意味。冒頭のHはスペイン語を始めとするラテン系言語では読みません。だからイーグルスも「オテル・カリフォルニア」となります。ジプシー・キングスが本当にそう歌っていて、曲調も激しいしで結構笑える)。

マークII '73-1月19日(土)放送2008年01月20日 11時08分25秒

よしだたくろうライブ73(1973)
 「Evening cafe 135」マスターのアッシーです。皆さん、寒いですねえええ~。(こればっか)
 さて08年1月19日(土)の18~19時にFM熱海湯河原(79.6MHz)の音楽トーク番組「Evening cafe 135」でオンエアした曲をご紹介しますね。

【1.One hundred ways (David Sanborn)】
 収録アルバム「Straight to the Heart」。今日の番組のオープニングとエンディングで流しました。最近オープニング・トークとエンディング・トークが、その後選択する曲の尺に偶然ほとんどジャストフィットというか時間がピッタリで、ビックリしています。何故なんだろうなあ?さてこのアルバムはスタジオライブ形式で録音されたものです。ビデオも出ていますが、同じ録音日ですがほとんどの曲は別テイクで、アルバムとは違う演奏が聴けました。この曲はビデオの方には収録はされず、このアルバムのみの曲です。元々はジェームス・イングラムのボーカル曲ですね。マスターはこのアルバムはサンボーンのアルバムの中でも一番好きなアルバムです。当時何回聞いたことか。今聞いても色褪せませんね。

【2.Moanin' (Art Blakey & The Jazz Messengers)】
 収録アルバム「Moanin'」。アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの超有名曲です。この曲聞いていつも思うんですが、テーマが終わった後のリー・モーガンのトランペットが、大人しいこの曲のテーマとはほとんど無関係に「そら行くで!」とばかり疾走するのは何故でしょう?エネルギー余りまくり。元気だなあ。リー・モーガンのアルバム「サイドワインダー」も超おすすめです。尚この曲、「朝」ではありません。「うめき声を上げる」とか「不平不満を漏らす」という意味です。今まで「モーニング(morning)」と思っていた方、ご愁傷さまです。モーニング(moaning)です。日本語じゃ区別が付けられないな。

【3.Midnight lady (Lee Ritenour)】
 収録アルバム「Feel the Night」。リー・リトナーのスマッシュ・ヒットアルバムの中の曲です。この曲は彼がお得意のガット・ギターを弾いております。スティーブ・ガッド(ds)、エイブラハム・ラボリエル(b)、デイブ・グルージン(kb)、アーニ・ワッツ(sax)等がバック。真夜中にひとりコツコツとハイヒールを鳴らして歩く、素敵な大人の女性の雰囲気が感じられる曲です。いい曲ですね。リトナーの奥さんは杏里。

【4.Stay with me (Gino Vannelli)】
 収録アルバム「Nightwalker」。カナダ・モントリオールのシンガー、ジノ・バネリの1980年発表の天下の名盤です。凄いアルバムですよこれホントに。ヴィニー・カリウタ(ds)、マイク・ミラー(g)の演奏が光っています。もちろんジノ・バネリのボーカルの太さ、ダイナミックさ、素晴らしさに昇天。最近デジタル・リマスタリングされ再発売されました。音質もクリアになって、大推薦盤です。プロデューサ兼作曲兼kbは、ジノのお兄さんのジョー・バネリ。

【5.Painted woman (松原正樹)】
 収録アルバム「PAINTED WOMAN」のタイトル曲です。そそるジャケットだったんだなあ。松原正樹は電気ギターの第一人者です。歪んだ音と的確なソロの音選び。とにかくセンスのあるギタリストです。歌謡曲からフュージョンまで、たくさんの曲を吹き込みました。有名どころでは、真夜中のドア(松原みき)、チェリー・ブラッサム(松田聖子)、長い夜(松山千春)、DAN-DAN(松任谷由実)、Monday morning(ブレッド&バター)等ですかね。アルバム「パール・ピアス(松任谷由実)」、「Monday morning(ブレバタ)」では、gの演奏と共にアルバム全体のプロデーサもやっていました。「タモリの音楽は世界だ」のテレビ番組でも一時毎週TVに出演ていましたね。スタジオ・ミュージシャンによるバンド「パラシュート」での活躍は言わずもがなです。この曲のボーカルは上記リー・リトナーの「RIT」での客演でも有名なエリク・タッグです。

6.飲んだくれトーク
 【Animal Song(サベージ・ガーデン)】

 はーい、どーも、今邑tetsu海でーす。
 今日はね、色覚の話をしたよ。動物とか魚とか、もちろん人間もね。色覚っていうのは色に反応する視細胞の種類が多いとたくさん見えるんですと。人間の場合は、3種類でね、赤・青・緑に反応するわけ。もうちょっと言うと、光の強弱に反応する視細胞もあるから、全部で4種類なんだな、これが。
 まぁ、そんな話から、サベージガーデンのアニマルソングを選曲したわ。詳しくは、今後アップするであろう飲んだくれトークで書くからね。
 

【7.人間なんて(吉田拓郎)】
 収録アルバム「人間なんて」。昔のエレック・レコード盤では写真だったジャケットですが、エレックがつぶれ、後にご本人も社長にもなられたフォーライフ・レコードで再発売されたとき、何故かこのようにイラストに変身しておりました。ネガが消失してないんでしょうなあ(あるいは著作権か?)。今回は今邑tetsu海くんのトークに絡めて、冒頭部分のみ抜粋でお届けしました。推測ですがこのぶっといストロークの生ギターのは、たぶんギブソンではないでしょうか?深いいい音しています。対して井上陽水は昔からギルドの生ギターが大好きで、ギルド派でしたね。今はギルドはすっかり見なくなりましたが、あれは小さいギターなんですよ。対してギブソンやマーチンは大きすぎて、尻のデカ過ぎるアメリカの太った女性みたいな格好しています(失礼)。

【8.マークII '73(吉田拓郎)】 
 収録アルバム「よしだたくろうライブ'73」。中野サンプラザで1973年に録音されたライブアルバムです。田中正義(g)、岡沢章(b)、松任谷正隆(kb)、石川鷹彦(ag、マンドリン)等々、蒼々たるメンバーで録音されたライブです。ブラスセクションもストリングスも女性コーラスも入っており、並々ならぬ予算と人件費(笑)で作られたライブアルバムであることが分かります。高中正義のフットペダル使用かと思われるワウワウ、すんげえ格好いいですよね。この頃高中はまだ20歳前後ではないか?天才だなあこの人。ドラムスがシャープでビックリするライブです。

【9.Skating in Central Park(Bill Evans & Jim Hall】 
 収録アルバム「Undercurrent」。ジャケットから別名「土左衛門アルバム」。ビル・エバンス(pf)とジム・ホール(g)のたった二人だけによるリズム隊皆無のアルバムですが、その火を噴くようなインタープレーには度肝を抜かれます(特にMy funny Valentine)。この曲はそんなテンションをちょこっと緩め、二人でゆったり弾いている名曲です。NYCのセントラル・パークでスケートをしている、そんなシーンを思い浮かべて下さい。ワルツでゆったりしていて、いいでしょう?そう言えば「スケーターズ・ワルツ」というクラシックの超有名曲もありましたね。スケートにはワルツが似合うのかな?僕はこの曲「Skating in Central Park」が大好きなんです。僕らのお馬鹿トークに合うかなあとリミックス前は心配でしたが、合わせてみると何故か映えました。良い曲はどんなトークを持ってきても、色褪せることがありませんね。

【10.Jingle(わしら)】
 いつものやつね。

【11.身代わりのバディ(EPO)】
 収録アルバム「JOEPO ~1981KHz~」。申し遅れましたがこれ、青山純(ds)、山下達郎(g)がバックを努めておりました。達郎がギターで人の曲に参加するというのもいくつかありますが、これはあまり知られていないのではないか?EPOは現在、三浦半島の葉山町でセラピストとしてご自分の診療所も持っておりますし、歌の方も相変わらず頑張っています。二足の草鞋で頑張っているみたいです。マスターはEPOのアルバムは、デビューから何枚も、本当に良く聞きました。このアルバムはその中でもかなり好きなアルバムです。放送局のコールサインのようなタイトルにしているのですよ。でも自分がこのようにラジオ番組を持ち、放送局でオンエアできるようになるとは、このジャケットのEPOが将来(2008年の今)セラピストになるのと同じように、当時の1981年の僕には、両者ともに予想だにできなかったことでした。

【12.Don't worry baby (Vapour trails)】
 収録アルバム「 BRIO presents AOR Best Selection~Off Shore 」。有名なあの曲ですね。格好いいですね。この曲はプロデューサがラリー・カールトンなんですよ。ドラマーは彼と良くツアーを同行するジョン・フェラーロです。このVapour trailsは英国のスタジオ・ミュージシャン達で作ったバンドということですが、英国らしさが全然ありません。音が完全に西海岸しているのは、ラリー・カールトンが作った音だからだったんですね。イントロのカッティングはなかなかの腕だと思います。

 という訳で今日も終わったFM熱海湯河原(79.6MHz)で毎週土曜18~19時からオンエアの音楽トーク番組「Evening cafe 135」、いかがでしたか?今回は色々(宴会等で)忙しく、また前回同様、マスターの店で新しく構築した「デジタル再生システム」での音質向上実験を重ねながらの録音だったので、またまたギリギリの収録でした。んもー、毎週ギリギリ・ガールズ!

 今回は先週気になっていた「音の堅さ」が無くなり、かなり柔らかい、「人肌恋しい」音で録音することに成功しました。やったー!解決はある特定の機種のハブ(安いです)を2台追加し、LANケーブルを「エンハンスド・カテゴリー6」という、広帯域のケーブルに全部取り替えただけなのですが、安い投資の割には効果は絶大でした。誰~もそんな複雑な事をしているとは気が付かないでしょうが、毎週色々やってるんですよマスターは!元々オーディオマニアでも何でもないんですけどね。皆さんにいい音楽をいい音でご紹介したい一心で頑張っています。もちろんトークの方も一所懸命。皆さんまた来週も土曜18時~19時に、FM熱海湯河原(79.6MHz)でオンエアしている音楽トーク番組「Evening cafe 135」を是非聞いて下さいね!サービスエリア以外の方々には、音声サイトもご用意しました。こちらは日本国内はもちろんのこと、世界中どこからでもアクセスできますので、こちらも是非(最遠ではオランダからのアクセスがありましたよマジで)。

 それではまた来週のオンエアまで皆さん、Hasta la proxima ! See you later ! Ciao Ciao!! また来週!(らた毎週)

マヘリア・ジャクソン-クリスマス特集(12月22日)2007年12月22日 17時44分52秒

 「Evening cafe 135」マスターのアッシーです。
 今日は冬至。そして数日後はクリスマス!

 12月22日(土)18時からFM熱海湯河原で放送した僕らの音楽トーク番組「Evening cafe 135」」の、素敵な曲の紹介です。

【1.Merry Christmas (Larry Carlton)】
【2.White Christmas (Larry Carlton)】
8.何ちゃらトーク
 【Walking in the winter wonder land (Larry Carlton)】
9.【The little drummer boy (Larry Carlton)】

 収録アルバム「Christmas at my house」。先週もかけたラリー・カールトン名義の1989年のクリスマス・アルバムからの曲たちです。どれも有名な曲なので敢えて説明する迄もないとは思いますが、最後の「The little drummer boy」だけはラリー・カールトンのギターの出だしが異様にブルージーで全くの別物でした。歌のメロディ部分がギターで聞こえるまでは、「これは一体何の曲?」と皆さんも皆目分からなかったことと思います。

 僕はこの「The little drummer boy」が昔から好きで、でもタイトルが分からず困っていましたが、ドラムスの歌だったのね。あの「パー・ラパパン・パアーーン」と、曲中で20回くらい繰り返す擬声語は、ドラマーのスネアの音だったのですね。
 この曲は出来たのは1958年と、ものすごく最近です。歌詞によるとこの曲は、イエスが生まれた時代に彼の地で生きていた貧しい羊飼いの少年が主人公です。彼が風の噂でイエスが誕生したと知り、「僕は貧しくて、イエス様が生まれたお祝いに差し上げられるものが何にもないので、代わりに大好きな太鼓を叩いて、救世主の誕生をお祝い致します。」という内容なのだそうです。くーっ、泣かせるぜ少年!(生きてれば二千歳)

 歌詞はこんなあらすじです。実際の歌では歌詞の各行の後ろに全て、「パー ラパパン パーーン!」と入ります(スネアのヒット音の擬声語です)。英語では各行の後ろの韻を揃えていますが、僕は日本語のリズムの真骨頂である「五七調」で訳しております。意味は合ってると思います。何故か途中で九州弁になっております(リズムを合わせる為で、意味なし)。


 小さな太鼓ボーイ (訳詞 アッシー)

 風の噂に聞きました
 僕らの王が生まれたと
 この世でベストの贈り物
 王と一緒に生きること

 かわいいかわいい 赤ん坊
 僕は貧しい子供じゃけん
 贈り物など無いけれど
 これこそ心の贈り物
 
 貴方の為にこの太鼓
 演奏してもよかですか?

 羊のメアリーうなずいて
 雄牛と子羊 足鳴らす
 僕の太鼓は君にこそ
 あらん限りに叩きます
 
 あれれ 赤ちゃん 笑ったよ
 僕と太鼓も 笑ったよ


【3.Ark the herald angels sing (Take 6)】
 収録アルバムは先週もかけた「He is Christmas」。ここのHeは「彼」(代名詞)ではなく、「救世主」という固有名詞ですので、ここでは文の冒頭にあるが、真ん中に来てもどこでも大文字で始まります。この曲は邦題では「あまにはさかえ(天には栄え)」と言うそうです(賛美歌98番)。わっかりにくい古語ですね。新しく出版された賛美歌では21番となり、邦題も原語に近い「聞け、天使の歌」となっています(原題の意味は「天使のお告げの歌を傾聴せよ」)。彼らTake 6(テイク・シックス。「タケロク」ではありません)の六声はどの曲も素晴らしいですが、先週の「神の御子は今宵しも」とこの曲では特に凄いなあといつも思います。ちなみにこの曲、作曲はメンデルスゾーンらしいです。この曲はメロディを聞いたなら誰でもが、「ああ聞いたことある!」と言う様な、非常に有名な曲です。

【4.Plese come home for Christmas (Bon Jovi)】
 収録アルバム「A very special Christmas 2」。NYC在住だった画家、故キース・へリング作と思われるイラストがジャケットのクリスマスCDです。ボン・ジョビのファンのリスナーの方、お待たせしました。やっとここに彼らの曲を書けることができましたよ!この曲は元々チャーリーブラウン(スヌーピーじゃありません)作のR&Bというかブルースというか、ですが、有名なのは1979年頃に発表されたイーグルスのシングル盤のテイクじゃないでしょうか?あの曲、CD化されてますか?B面は「ファンキー・ニュー・イヤー」だったんですけれども、僕は未だにドーナツ盤しか知らないのです。マニアの方々、どうぞ教えて下さい。これはボン・ジョビのテイクですが、あまり期待しないで来たが非常に良かった。ラストに弾くリッチー・サンボラのギターがとってもいいです。めっけもんでした。昔リッチー・サンボラとレス・ポールの二人のギター雑誌での対談を読んだことがありましたが、「5万人のアリーナで弾くときにこそ、ギタリストは自分の内面に集中して、内面に向かって真摯に弾かなければならない」という、とても精神的な事を語っていました。それで僕はこのリッチー・サンボラという男は本物だなと信用したという経緯があります。

5.飲んだくれトーク
 【You make me feel brand new (Stylistics)】
 邦題「誓い」。今日は「誓い」について語ったのでありました。それでは今邑tetsu海君、どうぞ。

【6.Jingle(わしら)】
 いつものやつで。

【7.Revelation (Yellowjackets & Take 6)】
 収録アルバム「Live wired」。イエロージャケッツがサックスに、これまでのアルトサックスのマーク・ルッソから、テナーサックスの名手ボブ・ミンツァーを迎えた直後に出たライブ・アルバムです。この曲はこのアルバムのラストに収録されていた曲です。これで2度目の録音で、イエロージャケッツが最初にこれを録音したのは、まだロベン・フォードと一緒にやっていた時代で、曲のテーマはロベンがギターで弾いておりました。マーク・ルッソもボブもそれぞれの時代にこの曲を吹いているらしいので、随分息の長い曲ですね。ピアノのイントロや、今回Take 6が歌詞付きで歌っているテイクからも分かるように、この曲はkbのラッセル・フェランテ作曲のゴスペルです。というかタイトルからして「Revelation」ですからね、もろゴスペル(神の福音)ですよね。「John's revelation」というと何だか分かりますか?「ヨハネの黙示録」ですよ。revelationは「新しい事実、発覚、啓示、お告げ、預言」というような意味があります。おそらくですが動詞reveal(明らかにする、暴露する)も同じ語源でしょう。何だかラジオ英語講座みたいになって来ました。

 欧米のホテルには必ずと行っていいほど聖書が部屋に置いてありますが、どこに行っても最後の章が「John's revelation」なので、僕は自分がキリスト教徒という訳ではないのですが、昔は聖書というとこの章を特に好んで読んでおりました。あの意味分からない、ホラーショーかSFのようなエキセントリックなシーンの後、最終戦争のようなすさまじいシーンが現れ、最後にはこれらが転じて福音の世となり、キリストが何千年ぶりかでこの地に再び姿を現すという、何だか映画のような章でした。しかし一説にはこの章は文字通りに読んでも訳が分からないようにヨハネが予め意図して難解に書いた暗喩で、正しく読めば、本当にヨハネが後世に伝えたかった事が分かり、それは今まで誰も知らなかった内容(しかし今では大多数の人々が気が付いている「福音」)だということです。さてそれは何か? こういう事は諸説紛々で面白いですね。

 さてこの曲、イエロージャケッツとTake 6との共演なのですが、最後の最後のTake 6のメンバーによるシャウトが、ゴスペル教会で黒人牧師が良くやる説教みたいで、迫力もあって格好いいですね。アドリブ・シャウトの意味は「僕は昔は盲目同然だったが、今は違う。やっと分かった。啓示を聞けて本当に嬉しい。」という様な事を言っています。こんなのライブで目の前でアドリブでシャウトかまされたら、誰だって大絶叫だと思いますよ本当。曲が終わった直後のお客さん達、大喜びです。

【9.The lord's prayer (Mehalia Jackson)】
 収録アルバム「エッセンシャル・マヘリア・ジャクソン」。曲の邦題は「主の祈り」。マヘリア・ジャクソンはゴスペル界で最も有名な女性シンガーの一人です。この曲は1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルで歌われ、映画「真夏の夜のジャズ」のラストを飾った、まさにその映画の、あのライブの音源そのものを、デジタル・リマスタリングされたテイクをご紹介しました。

 みなさん、「真夏の夜のジャズ」、是非一度ご覧になって下さい。凄い映画というか、ライブです。蒼々たるメンバーが出ています。チャック・ベリー、サッチモ、モンク、アニタ・オデイ、そして映画での大トリが彼女マヘリア・ジャクソン。
 彼女は映画では合計3曲歌うんですが、どれもピアノとオルガンの伴奏のみのシンプルなものなのですが、それでも彼女の歌の迫力がすんごいんです。でっぷり太った黒人のおばはんが歩いてきたなあと思ったら、巨体を揺すって凄い迫力で歌い出す。しかも全曲がゴスペルで、「皆んなが天国のことを話してる~」とか、「雨が降ってきたよ 恵みの雨が」とか、全編「神」。見ていた白人の観客は最初は「あん?何だあのオバハン?」という感じで雲子座りでハスに構えて見ているんですが、マヘリア・ジャクソンが歌い出した瞬間、みんな雷に打たれたようにビクンとなり、ついで2曲目では白人突っ張り・カップルも踊り出しちゃったりして。手拍子を打つは、「おい、あいつスゲエぞお!」と隣のダチに叫んで大喜びするわで、もう大騒ぎなんです。

 マヘリアは2曲目の「雨が降ったよ」を歌い終えた後に大熱狂で拍手する観客の嵐のような歓声に笑いながらもとてもビックリして言います。「You make me feel like I'm a star.」(おお、ここで今邑tetsu海君の選曲との、微妙なシンクロニシティが!)

 そして最後の最後にピアノのイントロが静かに始まって、大騒ぎの観客を前にこの「主の祈り」の出だしが始まるのです。(これは一部、古い英語です)
 
The lord's prayer

 Our Father
 Which art in heaven
 Hallowed be
 Thy name

 Thy kingdom come
 Thy will be done
 In earth as it is
 in heaven
 
 Give us this day
 Our daily bread

 And forgive us our debts
 As we forgive us our debtors
 And lead us not into temptation
 But deliver us from evil

 For thine is the kingdom
 And the power
 And the glory,

 forever,
 Amen

 全身全霊でこの曲を腹の底から歌い込んだマヘリアは、歌が終わるとまた素の人間に戻って、まるで最後の覚悟を決めて無敵の武士となって単身敵陣に切り込んで行った古武士がふと一瞬我に返るように、先程までの気合いの入った戦士のような顔から破顔一笑、少女っぽい笑顔でにこりと微笑むと、先程の数倍の大歓声に沸き返っている観客を見て、あーどうしようー、わたし家に帰れるかしら?という様に天を見上げて、確か両手を、水色のワンピースの胸元で、仏像を拝むように組んでいたような気がします。彼女は歌い終わった後は、ずーっと微笑んでおりました。

 僕はこの映画を見た後、腰が砕けて立てませんでした。遠くに古い型の車が埃っぽい道路を走り去り、映画のタイトルが英語で画面に現れましたが(「Jazz on a summer's day」。「夜」ではなく「夏の日」だったんです原題では)、それらもその時はぼーっと見ているだけで、ほとんど目に入りませんでした。ひたすらマヘリア・ジャクソンの凄い歌を聴いたことの感動に浸っておりました。

 僕がこのリバイバル映画を見てから早20年が過ぎようとしていますが、こうして書いている内に、まだあのときの感動が蘇って来ます。
 マヘリアは既にこの世を去り、今はこの曲や、この映画のことを知る人も少なくなりましたが、それでも僕はこの曲、この映画は、長く後世に伝えて行かねばならないなあと思っています。何故なら時空を越えて僕らの胸に突き刺さる、本物中の本物の音楽だからです。
 今回のクリスマス特集の本当の目的は、この曲を熱海湯河原のみなさんに聴いて頂くこと。この曲を日本中の、世界にいる日本語が分かる方々に、もう一度注目して聞いて頂くことにあるのかも知れません。

 「The lord's prayer」は1980年代後半、ラリー・カールトンが生ギター・アルバム「Alone/But never alone」のA面ラストで、生ギター・インストで録音していますが、おそらくこのニューポート・ジャズ・フェスティバルでのマヘリア・ジャクソンのテイクに触発されての録音だと思います。このテイクのラリーの演奏も非常に崇高な、是非皆さんに聞いて頂きたい演奏です。
 
【10.Close to home (Lyle Mays)】
 収録アルバム「Lyle Mays」。番組は終わって、ラストのラストのエンディングでつなぎのように流した曲です。ライル・メイズの1980年代後半に出したソロ・アルバム第一弾のラストに収録されていた曲。家に帰る、あるいは故郷に帰る足取りのようなものが感じられる曲です。僕らは僕らが本来属していた「故郷」に戻っている最中なんだろうか?或いはそこからどんどんと遠ざかりつつあるんだろうか?そんな事を思いながら収録しました。

 クリスマス特集、いかがでしたか?絶妙のトークとは裏腹に、音楽はかなり厳選してお届けしました。少なくとも他局では絶対に聞けない「本物」をお送りしようと努力致しました。キリスト教徒でもない私が色々と失礼致しました。それではまた来週。

 ps. みなさん、今日は冬至ですよ。キリスト教以前の西洋では、「死と再生の日」。今日が一年のうちで一番、昼が短く、夜が長い日でした。明日からやっと少しずつ、今まで短かった昼が、日一日と少しずつ長くなりますよ。今晩は「ゆず湯」に入りましょうね!暖まりますよ!年に一回、「冬至」の今日だけの特典ですよ!

神の御子は今宵しも-クリスマス・ソング特集(12月15日)2007年12月17日 16時00分20秒

 マスターのアッシーです。
 12月15日(土)18時からFM熱海湯河原で放送した僕らの音楽トーク番組「Evening cafe 135」」で流した、素敵な曲の紹介です。

1.【In all my wildest dreams (Joe Sample)】
 収録大ヒット・アルバム「Rainbow seeker」(虹の楽園)。2曲目に入っている曲でした。ギターのデビッド・T・ウォーカーの下手うまギターが大変魅力的な曲です。タイトルに反して、とても大人しい、静かな曲ですよね。デビッド・T・ウォーカーはマスターが学生時代に大好きで、当時来日したクルセイダーズのツアーにも同行してる彼をマスターはライブで見ているのです。白髪交じりの長い顎髭、背広で眼鏡をかけた、何でも知っている村の長老然としたタイプでした。いやあ、渋かったですよお彼のギター。フル・アコースティック・エレクトリック・ギターを、ノー・ディストーションのクリアなサウンドで弾くのです。最近ああいうタイプのギタリストが少なくなりましたね。皆さん、何でもそうですが人間、ただうまけりゃいってもんじゃないんです。そこに「その人」でしか出せない味があるかどうか。これはとても重要なポイントです。お前じゃなきゃダメなんだ、という奴です。デビッド・T・ウォーカーはまさにその、彼しか出せない唯一無二のサウンドを、自分のギターから作り出していました。(故エリック・ゲイルとかコーネル・デュプリーともか、この仲間に入りますよね)。10年くらい前、吉田美和のバックでライブ演奏してたのをTVで見てぶっくらいこいたです。最近私はこの曲をサンプリングした米国黒人ヒップポップの曲を、とある所でやたら聴きます。それで原曲をかけたくなった次第です。しっかしヒップポップの連中は、素材として何でも使うなあ。

2.【Dance with me (Earl Klugh)】
 収録大ヒット・アルバム「Finger painting」。ドラムスはスティーブ・ガッドですが、非常に軽快に叩いてます。オーリアンズのとても有名なヒット曲のインスト版コピーですね。オーリアンズ、日本ではこう呼びますが元々の発音は「ニュー・オリンズ」と同じですから、「オリーンズ」が正解です。大本は「オルレアンの戦い」と同じ、フランス語の地名ですよね。「Finger painting」は是非一度聞いて頂きたい名盤です。とてもスイートな曲がたくさんで、名演奏、名曲が目白押し。僕はこの曲は大学最後のライブで、友人が弾いたのを手伝って一緒に弾いた覚えがあります。卒業記念ライブだったのですが毎年恒例で出演者も客も飲みながらというシチュエーションのライブで、べろんべろんになりながらソロ回しを8小節くらい二人で交代で延々と引き続けた。良く弾けたなあ。でも24年経った今でも記憶しているくらいですから、大して飲んでいなかったんでしょうか?(いいえ、違います)

3.【Bill Evans (Lyle Mays)】
 収録アルバム「Fictionary」。ライルメイズのソロ第二弾アルバムでした。彼はビル・エバンスの大ファンだったようで、エバンスにちなむ曲をいくつか書いています。この曲はもろビル・エバンスの名前を付けていますんで、演奏もエバンス派らしく弾いています。これならビル・エバンス本家本元を選んだ方がいいかなあとも思ったのですが、何故かこの曲そのものが一番今回のトークBGMに合っているような気がしてね。ライル・メイズはパット・メセニーともう30年以上も一緒にバンドを組んでいる相棒です。彼らのコンビは長いですね。ライル・メイズは日本酒が好きだと昔聞いたことがあります。(ホール&オーツのダリル・ホールも大の日本酒党です)

4.【O come all ye faithful (Take 6)】
 収録アルバム「He is Christmas」。もの凄く素晴らしいアカペラ賛美歌で、今日の番組の最も重要な曲です。日本ではこの曲は「神の御子は今宵しも」というタイトルで教会等で賛美歌として歌われているようですが、「しも」って何だよ!(強勢語ですよね)。皆さんもどこかで聞いた事があるメロディでしょう?でもこんなに完璧な、テンションもばりばり入るステレオ・ハーモニーで聞くと、感動もひとしおですよね。「ye」はミススペルではありません、古英語です。Take 6は元々教会で賛美歌をバリバリに歌ってきたクリスチャン・クワイヤーですから、この手の曲は得意中の得意だと思います。

5.【遠い旅の記憶(あらひろこ)】
 収録アルバム「Moon drops」。彼女は札幌在住のカンテレ奏者で、これまでにCDを2枚出しています。これはその2枚目の最新アルバムの3曲目。今日の番組は上記4を聞いてから、突然クリスマス特集にしようとマスターは思い立ったのですが、そのsacredな、聖なる雰囲気にピッタリな曲なので、喜んでオンエアさせて頂きました。僕らのもう一つのインターネット店舗では何回かトークの冒頭でこの曲を流したことがあります。実は彼女、僕の大学時代の後輩なのです。何回か共演したこともあります。昔はキーボード奏者だったんだけどなあ。地元札幌ではライブやカンテレ教室もたくさん開いて、アクティブに活動しているみたいですよ。つい先日もワールド・ツアーの最終日で東京・東池袋の、フランク・ロイド・ライトが設計した素敵なホールでライブをやって、盛況だったみたいです。という訳で、良かったら下記サイトにも遊びにいってやって下さい。カンテレはフィンランドの民族楽器です。西洋琴みたいなもんです(違うかな?)
KANTE-Letter(あらひころ)

6.飲んだくれランダムトーク
 【Build to last(レイメイ)】
 いやあ、この曲はいい曲でした。スピッツが英語で低音で歌ってるわあと思いました。久しぶりにいい曲を聴いたなあという印象です。シングルカットにピッタリなキャッチーな曲でした。それでは今邑tetsu海君、解説をよろしく哀愁デート。この歌手は中国の女性ではないよ、米国おのこバンドだよってことも併せて解説して下さい。この曲、ミキシングの時にレベルが非常にピーキーで、ボリュームを落とすのに苦労したという逸話も、マスターから併せて紹介します。今時の曲は本当に音がぎっしり詰まっていますなあ。キャロル・キングの名盤「Tapestory」なんか今聞くと、逆にスッカスカですけど。

7.【Ringing the bells of Christmas(Larry Carlton)】
 収録アルバム「Christmas at my house」。ラリー・カールトンが1989年頃出したクリスマス・ギター・インスト・アルバムです。この曲はそのアルバムに2曲しかないボーカル入り(女性)の曲のひとつ。ラリー・カールトンはボーカルのバックでギターを弾くと、そのギターの上手さが一段と際立ちますね。

8.【We've been told (Jesus is coming soon)(Eric Clapton)】
 収録アルバム「There's one in every crowd」(邦題「安息の地を求めて」。格好いい邦題だと思いませんか?僕は元々圧倒的に原題主義者ですが(そんなのあるのか?)、このアルバムに関してだけは邦題のみをずっと記憶していて、CDを買った今でも原題を全然思い出せません。あはは、何でだろう?完全に行っちゃったギョロ目でこちらを見ている、顎を木の椅子の上に載せたいかれた犬と茶色いジャケットもいい感じです(これ、クラプトンの愛犬だったそうです)。この頃のクラプトンは生ギターにとても凝っていて、この曲も生ギターでピッキング、カッティング、及びスライドでのソロを弾いています。良く聞くと1弦のチューニングが若干♭気味なんだな。チューニングちゃんとしましょうね。イヴォンヌ・エリマンちゃんのバックコーラスもノリノリです。私は「The core」での彼女のコーラスとボーカルにしびれましたが、これは本当に長い曲で8分もあるのよ。いつかかけたいですね。このアルバムは全体的にレゲエ帳の曲が多いです。Ocean Boulvardの後に出たアルバムで、中学生時代はこのジャケットと邦題にやられ、随分興味を持っていたアルバムでした。日本でのみ1998年頃にデジタル・リマスタリングされています。海外でもこの日本版はマニアには人気みたいです。すんごくクリアな音になっているのは、そのためです。この曲は元々はtraditionalです。

9.【Jingle(わしら)】
 いつものやつね。

10.【The water is wide(Karla Bonoff)】
 収録アルバム「Restless nights」。大好きなアルバムです。この中の最終曲。元々はこれもtraditionalですが、色々な人が録音してますが、僕は彼女のこのテイクが一番いいと思う。バックコーラスにジェームス・テイラー。それとアコーディオンの演奏が素晴らしいですね。ソロをいつ聴いても、どうやってこんなフレーズが思いつくのかと(歌のコードと同じ進行なんですが)いつも関心してしまいます。歌が始まってもずーっとサポートしているし。カーラ・ボノフは僕は今まで、1993年、2004年の2回の来日ライブを見に行っています。両方とも凄く良かったです。前者はJ.D.サウザーと二人で来ましたが、生ギターはJ.D.より明らかにカーラの方が腕が上でした。かなりギター、上手いです。後者はこのアルバムのプロデューサでもあるケニー・エドワーズがベースで来るというのでワクワクして見に行ったのですが、非常に普通の演奏をするただのオヤジでしたわ(笑)。でもカーラは相変わらず上手かった。「Goobye my friend」をピアノで歌った時は、不覚にも胸が一杯になってしまった。既にかなりの妙齢のはずだけど、声は全く持って衰えていないのが不思議です。この頃のキーと音色のままでした。参ったなあ。本当に歌もギターも、ピアノも上手いです。

11.【Angel (Sara McLaclan)】
 収録アルバム「Surfacing」。この歌はカリフォルニア州サンノゼのソフトロック専門FM局で頻繁に流していた時に知ったのですが、こんなにすごい曲があるんだと驚きました。異様に静かなんですが、人の心を非常に打つ曲です。このアルバムは全米では400万枚も売れたんだそうですが、日本ではおそらく知っている人はとても少ないアルバムなんではないか?J-popが流行りだした頃からの現象でしょうけど、今の日本の若い人は本当に洋楽を聴かなくなりましたね。J-popで完全に満足しているようでもあります。FM局やTV局の音楽番組の影響か、或はもう日本の若者達は日本の音楽で完全に満足してしまって、外国の音楽には耳を傾ける必要性が無くなったのか?サラ・マクラクランはアメリカでは知らない人はいない程の有名な歌手です。非常にカリスマ性もあり、かつ女性だけのライブを主催するなどのアクティブな面もあります。

12.【Amen(アッシー)】 
 原曲はゴスペルですが、僕が参考にしたのは上記4の「He is Christmas」です。ここに収録されていたTake 6のこの曲が頭にあり、曲が続いた後にかけるインタールードを探している内に、あれでも歌うかと戯れに歌って録音したのを、そのままオンエアで採用してしまいました。この辺りのインタールードでは、僕はいつもはくだらねえ事を語っているんですが、何せ今日はクリスマス特集ですからね。変なしゃれも無かろうと、歌にしたという訳です。最後に「B面?」と言っているのは単なるオヤジギャグです聞き流して下さい。戯れに録音はしたんですけれども、オンエアされた事によって、この曲は自分の歌をラジオの電波で流した初めての曲になってしまいました。あらら。この番組で僕が歌うことがあるとはね。(マスターは元々は売れない売らない歌手です。アマチュアという意味ですね)

13.【遙かなる日々のために(Wong Wing Tsan)】
 収録アルバム「さとわ」。Wong Wing Tsanは日本生まれ日本育ちの台湾系ピアニスト男性です。とても優しいピアノを弾く人です。このアルバムは一般には手に入りにくいかも知れません。僕は10年ほど前、このアルバムを企画製作販売していた会社の社長さんの所である小さなお手伝い仕事をしたら、何故か帰りがけにこのアルバムを頂きました。聞いてみたらとても良かった。思い出深いアルバムです。この曲は1分半くらいしかないのですが、長く印象を残す佳曲だと思います。Wong Wing Tsanさんは元々は日本名で山下達郎のアルバムにも参加したことのあるセッション・ミュージシャンですが、NYCに渡米して音楽修行をしている頃からある心の変化が現れ、瞑想を通して自分の中が劇的に替わり、それまでとは全く違う生き方、違う音楽のアプローチをするようになって今に至るそうです。この12月は浜離宮ホールで複数のクラシック・ミュージシャンと共演していましたね。今は元気かな?一度だけたくさんの彼のファンと一緒に、彼を囲んで飲んだ事があります。

14.【Grace(吉田美奈子)】
 収録アルバム「KEY」。この曲を初めて東京のFMラジオで聴いたのは10年前か?歌詞にとても衝撃を受けたことを覚えています。元々吉田美奈子の歌詞は山下達郎の中期までの歌詞をたくさん書いててコーラスでも参加してて、自分にとってはとても身近で、かつ大好きだったのですが、この曲の歌詞はまた一段とレベルが上です。一度番組でかけたいと長い間思っていた曲でした。こういうクリスマス・ソングの機会に流す事できて、この曲にふさわしい場で良かったです。吉田美奈子は、僕の周りのバンドのメンバーに彼女を好きな人が多くて、常に僕は彼女の音楽の話を聞く環境に昔からありましたが、初めて彼女のライブに僕が見に行けたのは1997年とごく最近です。岡沢章、難波弘之、山木秀夫などの凄腕達が、美奈子の方を向いて笑いながらびゅんびゅん弾いてたのを思い出します。すごいライブでした。MCは結構コミカルで笑えましたけど。本当に自分のこと「僕」って言ってたなあ。吉田美奈子は明らかに日本のシンガーの中でも他と一線を画している高いレベルのシンガーです。 彼女の素晴らしさは、歌詞なら山下達郎の「Sparkle」(収録アルバム「For you」)、「Daydream」「Some day」(同「Ride on time」)を、またコーラスなら同じく達郎の上記「Sparkle」、或いは達郎のライブ2枚組アルバム「It's a poppin' time」をどうぞお聞き下さい。マスターは個人的には山下達郎は、吉田美奈子と一緒に仕事をしていた中期までが大好きで、その後彼女と仕事をパタとしなくなってからは、ジョンがいなくなったレノン・マッカートニーを聞いているようで、ある決定的な何かが無くなったような気がして、昔ほど前のめりに聞けなくなりました。そういう方は多いのではないかと思います。彼女の持つあるカラフルさ、色彩感覚が、その後の山下達郎には無くなってしまったのです。結婚したっていいじゃない、一緒に仕事すればと思ったのですが、そうは行かなくなったのでしょうね。彼女のお兄さんが、山下達郎がずーっと一緒にレコーディングをつきあってもらった、レコーディング・エンジニアの吉田保さんです。お兄さんは大瀧詠一の「A long vacation」も録音しております。