神の御子は今宵しも-クリスマス・ソング特集(12月15日) ― 2007年12月17日 16時00分20秒

 マスターのアッシーです。
 12月15日(土)18時からFM熱海湯河原で放送した僕らの音楽トーク番組「Evening cafe 135」」で流した、素敵な曲の紹介です。

1.【In all my wildest dreams (Joe Sample)】
 収録大ヒット・アルバム「Rainbow seeker」(虹の楽園)。2曲目に入っている曲でした。ギターのデビッド・T・ウォーカーの下手うまギターが大変魅力的な曲です。タイトルに反して、とても大人しい、静かな曲ですよね。デビッド・T・ウォーカーはマスターが学生時代に大好きで、当時来日したクルセイダーズのツアーにも同行してる彼をマスターはライブで見ているのです。白髪交じりの長い顎髭、背広で眼鏡をかけた、何でも知っている村の長老然としたタイプでした。いやあ、渋かったですよお彼のギター。フル・アコースティック・エレクトリック・ギターを、ノー・ディストーションのクリアなサウンドで弾くのです。最近ああいうタイプのギタリストが少なくなりましたね。皆さん、何でもそうですが人間、ただうまけりゃいってもんじゃないんです。そこに「その人」でしか出せない味があるかどうか。これはとても重要なポイントです。お前じゃなきゃダメなんだ、という奴です。デビッド・T・ウォーカーはまさにその、彼しか出せない唯一無二のサウンドを、自分のギターから作り出していました。(故エリック・ゲイルとかコーネル・デュプリーともか、この仲間に入りますよね)。10年くらい前、吉田美和のバックでライブ演奏してたのをTVで見てぶっくらいこいたです。最近私はこの曲をサンプリングした米国黒人ヒップポップの曲を、とある所でやたら聴きます。それで原曲をかけたくなった次第です。しっかしヒップポップの連中は、素材として何でも使うなあ。

2.【Dance with me (Earl Klugh)】
 収録大ヒット・アルバム「Finger painting」。ドラムスはスティーブ・ガッドですが、非常に軽快に叩いてます。オーリアンズのとても有名なヒット曲のインスト版コピーですね。オーリアンズ、日本ではこう呼びますが元々の発音は「ニュー・オリンズ」と同じですから、「オリーンズ」が正解です。大本は「オルレアンの戦い」と同じ、フランス語の地名ですよね。「Finger painting」は是非一度聞いて頂きたい名盤です。とてもスイートな曲がたくさんで、名演奏、名曲が目白押し。僕はこの曲は大学最後のライブで、友人が弾いたのを手伝って一緒に弾いた覚えがあります。卒業記念ライブだったのですが毎年恒例で出演者も客も飲みながらというシチュエーションのライブで、べろんべろんになりながらソロ回しを8小節くらい二人で交代で延々と引き続けた。良く弾けたなあ。でも24年経った今でも記憶しているくらいですから、大して飲んでいなかったんでしょうか?(いいえ、違います)

3.【Bill Evans (Lyle Mays)】
 収録アルバム「Fictionary」。ライルメイズのソロ第二弾アルバムでした。彼はビル・エバンスの大ファンだったようで、エバンスにちなむ曲をいくつか書いています。この曲はもろビル・エバンスの名前を付けていますんで、演奏もエバンス派らしく弾いています。これならビル・エバンス本家本元を選んだ方がいいかなあとも思ったのですが、何故かこの曲そのものが一番今回のトークBGMに合っているような気がしてね。ライル・メイズはパット・メセニーともう30年以上も一緒にバンドを組んでいる相棒です。彼らのコンビは長いですね。ライル・メイズは日本酒が好きだと昔聞いたことがあります。(ホール&オーツのダリル・ホールも大の日本酒党です)

4.【O come all ye faithful (Take 6)】
 収録アルバム「He is Christmas」。もの凄く素晴らしいアカペラ賛美歌で、今日の番組の最も重要な曲です。日本ではこの曲は「神の御子は今宵しも」というタイトルで教会等で賛美歌として歌われているようですが、「しも」って何だよ!(強勢語ですよね)。皆さんもどこかで聞いた事があるメロディでしょう?でもこんなに完璧な、テンションもばりばり入るステレオ・ハーモニーで聞くと、感動もひとしおですよね。「ye」はミススペルではありません、古英語です。Take 6は元々教会で賛美歌をバリバリに歌ってきたクリスチャン・クワイヤーですから、この手の曲は得意中の得意だと思います。

5.【遠い旅の記憶(あらひろこ)】
 収録アルバム「Moon drops」。彼女は札幌在住のカンテレ奏者で、これまでにCDを2枚出しています。これはその2枚目の最新アルバムの3曲目。今日の番組は上記4を聞いてから、突然クリスマス特集にしようとマスターは思い立ったのですが、そのsacredな、聖なる雰囲気にピッタリな曲なので、喜んでオンエアさせて頂きました。僕らのもう一つのインターネット店舗では何回かトークの冒頭でこの曲を流したことがあります。実は彼女、僕の大学時代の後輩なのです。何回か共演したこともあります。昔はキーボード奏者だったんだけどなあ。地元札幌ではライブやカンテレ教室もたくさん開いて、アクティブに活動しているみたいですよ。つい先日もワールド・ツアーの最終日で東京・東池袋の、フランク・ロイド・ライトが設計した素敵なホールでライブをやって、盛況だったみたいです。という訳で、良かったら下記サイトにも遊びにいってやって下さい。カンテレはフィンランドの民族楽器です。西洋琴みたいなもんです(違うかな?)
KANTE-Letter(あらひころ)

6.飲んだくれランダムトーク
 【Build to last(レイメイ)】
 いやあ、この曲はいい曲でした。スピッツが英語で低音で歌ってるわあと思いました。久しぶりにいい曲を聴いたなあという印象です。シングルカットにピッタリなキャッチーな曲でした。それでは今邑tetsu海君、解説をよろしく哀愁デート。この歌手は中国の女性ではないよ、米国おのこバンドだよってことも併せて解説して下さい。この曲、ミキシングの時にレベルが非常にピーキーで、ボリュームを落とすのに苦労したという逸話も、マスターから併せて紹介します。今時の曲は本当に音がぎっしり詰まっていますなあ。キャロル・キングの名盤「Tapestory」なんか今聞くと、逆にスッカスカですけど。

7.【Ringing the bells of Christmas(Larry Carlton)】
 収録アルバム「Christmas at my house」。ラリー・カールトンが1989年頃出したクリスマス・ギター・インスト・アルバムです。この曲はそのアルバムに2曲しかないボーカル入り(女性)の曲のひとつ。ラリー・カールトンはボーカルのバックでギターを弾くと、そのギターの上手さが一段と際立ちますね。

8.【We've been told (Jesus is coming soon)(Eric Clapton)】
 収録アルバム「There's one in every crowd」(邦題「安息の地を求めて」。格好いい邦題だと思いませんか?僕は元々圧倒的に原題主義者ですが(そんなのあるのか?)、このアルバムに関してだけは邦題のみをずっと記憶していて、CDを買った今でも原題を全然思い出せません。あはは、何でだろう?完全に行っちゃったギョロ目でこちらを見ている、顎を木の椅子の上に載せたいかれた犬と茶色いジャケットもいい感じです(これ、クラプトンの愛犬だったそうです)。この頃のクラプトンは生ギターにとても凝っていて、この曲も生ギターでピッキング、カッティング、及びスライドでのソロを弾いています。良く聞くと1弦のチューニングが若干♭気味なんだな。チューニングちゃんとしましょうね。イヴォンヌ・エリマンちゃんのバックコーラスもノリノリです。私は「The core」での彼女のコーラスとボーカルにしびれましたが、これは本当に長い曲で8分もあるのよ。いつかかけたいですね。このアルバムは全体的にレゲエ帳の曲が多いです。Ocean Boulvardの後に出たアルバムで、中学生時代はこのジャケットと邦題にやられ、随分興味を持っていたアルバムでした。日本でのみ1998年頃にデジタル・リマスタリングされています。海外でもこの日本版はマニアには人気みたいです。すんごくクリアな音になっているのは、そのためです。この曲は元々はtraditionalです。

9.【Jingle(わしら)】
 いつものやつね。

10.【The water is wide(Karla Bonoff)】
 収録アルバム「Restless nights」。大好きなアルバムです。この中の最終曲。元々はこれもtraditionalですが、色々な人が録音してますが、僕は彼女のこのテイクが一番いいと思う。バックコーラスにジェームス・テイラー。それとアコーディオンの演奏が素晴らしいですね。ソロをいつ聴いても、どうやってこんなフレーズが思いつくのかと(歌のコードと同じ進行なんですが)いつも関心してしまいます。歌が始まってもずーっとサポートしているし。カーラ・ボノフは僕は今まで、1993年、2004年の2回の来日ライブを見に行っています。両方とも凄く良かったです。前者はJ.D.サウザーと二人で来ましたが、生ギターはJ.D.より明らかにカーラの方が腕が上でした。かなりギター、上手いです。後者はこのアルバムのプロデューサでもあるケニー・エドワーズがベースで来るというのでワクワクして見に行ったのですが、非常に普通の演奏をするただのオヤジでしたわ(笑)。でもカーラは相変わらず上手かった。「Goobye my friend」をピアノで歌った時は、不覚にも胸が一杯になってしまった。既にかなりの妙齢のはずだけど、声は全く持って衰えていないのが不思議です。この頃のキーと音色のままでした。参ったなあ。本当に歌もギターも、ピアノも上手いです。

11.【Angel (Sara McLaclan)】
 収録アルバム「Surfacing」。この歌はカリフォルニア州サンノゼのソフトロック専門FM局で頻繁に流していた時に知ったのですが、こんなにすごい曲があるんだと驚きました。異様に静かなんですが、人の心を非常に打つ曲です。このアルバムは全米では400万枚も売れたんだそうですが、日本ではおそらく知っている人はとても少ないアルバムなんではないか?J-popが流行りだした頃からの現象でしょうけど、今の日本の若い人は本当に洋楽を聴かなくなりましたね。J-popで完全に満足しているようでもあります。FM局やTV局の音楽番組の影響か、或はもう日本の若者達は日本の音楽で完全に満足してしまって、外国の音楽には耳を傾ける必要性が無くなったのか?サラ・マクラクランはアメリカでは知らない人はいない程の有名な歌手です。非常にカリスマ性もあり、かつ女性だけのライブを主催するなどのアクティブな面もあります。

12.【Amen(アッシー)】 
 原曲はゴスペルですが、僕が参考にしたのは上記4の「He is Christmas」です。ここに収録されていたTake 6のこの曲が頭にあり、曲が続いた後にかけるインタールードを探している内に、あれでも歌うかと戯れに歌って録音したのを、そのままオンエアで採用してしまいました。この辺りのインタールードでは、僕はいつもはくだらねえ事を語っているんですが、何せ今日はクリスマス特集ですからね。変なしゃれも無かろうと、歌にしたという訳です。最後に「B面?」と言っているのは単なるオヤジギャグです聞き流して下さい。戯れに録音はしたんですけれども、オンエアされた事によって、この曲は自分の歌をラジオの電波で流した初めての曲になってしまいました。あらら。この番組で僕が歌うことがあるとはね。(マスターは元々は売れない売らない歌手です。アマチュアという意味ですね)

13.【遙かなる日々のために(Wong Wing Tsan)】
 収録アルバム「さとわ」。Wong Wing Tsanは日本生まれ日本育ちの台湾系ピアニスト男性です。とても優しいピアノを弾く人です。このアルバムは一般には手に入りにくいかも知れません。僕は10年ほど前、このアルバムを企画製作販売していた会社の社長さんの所である小さなお手伝い仕事をしたら、何故か帰りがけにこのアルバムを頂きました。聞いてみたらとても良かった。思い出深いアルバムです。この曲は1分半くらいしかないのですが、長く印象を残す佳曲だと思います。Wong Wing Tsanさんは元々は日本名で山下達郎のアルバムにも参加したことのあるセッション・ミュージシャンですが、NYCに渡米して音楽修行をしている頃からある心の変化が現れ、瞑想を通して自分の中が劇的に替わり、それまでとは全く違う生き方、違う音楽のアプローチをするようになって今に至るそうです。この12月は浜離宮ホールで複数のクラシック・ミュージシャンと共演していましたね。今は元気かな?一度だけたくさんの彼のファンと一緒に、彼を囲んで飲んだ事があります。

14.【Grace(吉田美奈子)】
 収録アルバム「KEY」。この曲を初めて東京のFMラジオで聴いたのは10年前か?歌詞にとても衝撃を受けたことを覚えています。元々吉田美奈子の歌詞は山下達郎の中期までの歌詞をたくさん書いててコーラスでも参加してて、自分にとってはとても身近で、かつ大好きだったのですが、この曲の歌詞はまた一段とレベルが上です。一度番組でかけたいと長い間思っていた曲でした。こういうクリスマス・ソングの機会に流す事できて、この曲にふさわしい場で良かったです。吉田美奈子は、僕の周りのバンドのメンバーに彼女を好きな人が多くて、常に僕は彼女の音楽の話を聞く環境に昔からありましたが、初めて彼女のライブに僕が見に行けたのは1997年とごく最近です。岡沢章、難波弘之、山木秀夫などの凄腕達が、美奈子の方を向いて笑いながらびゅんびゅん弾いてたのを思い出します。すごいライブでした。MCは結構コミカルで笑えましたけど。本当に自分のこと「僕」って言ってたなあ。吉田美奈子は明らかに日本のシンガーの中でも他と一線を画している高いレベルのシンガーです。 彼女の素晴らしさは、歌詞なら山下達郎の「Sparkle」(収録アルバム「For you」)、「Daydream」「Some day」(同「Ride on time」)を、またコーラスなら同じく達郎の上記「Sparkle」、或いは達郎のライブ2枚組アルバム「It's a poppin' time」をどうぞお聞き下さい。マスターは個人的には山下達郎は、吉田美奈子と一緒に仕事をしていた中期までが大好きで、その後彼女と仕事をパタとしなくなってからは、ジョンがいなくなったレノン・マッカートニーを聞いているようで、ある決定的な何かが無くなったような気がして、昔ほど前のめりに聞けなくなりました。そういう方は多いのではないかと思います。彼女の持つあるカラフルさ、色彩感覚が、その後の山下達郎には無くなってしまったのです。結婚したっていいじゃない、一緒に仕事すればと思ったのですが、そうは行かなくなったのでしょうね。彼女のお兄さんが、山下達郎がずーっと一緒にレコーディングをつきあってもらった、レコーディング・エンジニアの吉田保さんです。お兄さんは大瀧詠一の「A long vacation」も録音しております。

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